退職後、国民年金の支払いを免除されるための条件

何らかの理由で退職することになった場合、役所で手続きして、これまでは給与から自動引き落としだった年金の保険料を、国民年金保険料として別途自主的に支払うことになります。

ただし、手続きをすることで、しばらくの間は、この支払が免除または支払猶予(以下、猶予)となります。

免除になるか、猶予になるかは、自分が世帯主であるかどうかも関係しています。

私は今年の3月末に退職し、同時に引越しもして親と同居するようになり、役所に行っていろいろ聞いてきたので、それで分かった点を書くことにしました。

退職後、国民年金の支払いを免除されるための条件

退職すれば、それまでもらえていた給与収入がゼロになります。

お金が無い人から無理に徴収しないようにするため、国民年金の保険料には支払いの免除および猶予の制度があります。

申請後の判定で、免除になるか猶予になるかの基準について解説します。

免除となるための条件

まず、免除/猶予と、無視して払わないというのは、全く意味が異なる点に注意が必要です。

前者であれば、事故にあって障害者になれば障害年金が支給されますが、後者の場合はされません。

障害者になって障害年金が支払われないということは、人生において超ハードモードを通り越してゲームオーバーに近い状態なので、無視して払わないという選択肢はリスクが高すぎるので止めた方がいいでしょう。

それでは本題ですが、開業も再就職もまだしていない状態ならば、必要書類さえ用意すればほぼ無条件で免除または猶予となるようです。

この際、給与の額がいくらであったかというのは、特に考慮されないようです。
年収が1,000万円だった人も2,000万円だった人も関係なさそうです。

過去の収入がどれだけ高かったとしても、全部使ってしまっているかもしれませんし、今その収入がゼロになってしまったことには変わりは無いからでしょう。

もちろん、この恩恵をいつまでも受けられるわけではなく、免除/猶予の申請は定期的に行う必要があります。

基本的には、再就職するか、あるいはそうでなくとも開業届をして正式に個人事業主となれば免除/猶予は終わりとなるはずです。
(そもそも再就職の場合は自動引き落としに切り替わるので強制的に支払うことになります)

免除であれば、文字通り支払が免除されて払う必要がなくなります。
支給額は、保険料を納めた時に比べて2分の1だけ反映されます。免除の期間中は、何も払っていないのに半分は支給額に反映されることになるので得します。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1と4種類ありますが、収入がゼロの場合は全額免除になるはずです)

一方、猶予の場合は支給額は増えず、支払の期限を延期してくれるというだけです。

普通に考えれば免除の方が得ですが、自分が世帯主ではない場合は免除ではなく猶予になる点に注意が必要です。

退職と同時に引越しをして親との同居を始める方も多いと思いますが、その際、親を世帯主としてその下に自分が入るか、自分も世帯主とするか、自分で選択できます。

国民年金保険料の免除/猶予は、この世帯主の選択について考慮すべき点の一つであると言えます。

自分が世帯主になるメリット、デメリット

ただし、自分を世帯主とする選択が常に正しいとは言えません。

状況次第でどちらが得か変わってくるので、以下、簡単にまとめてみました。

自分が世帯主になるメリット

上述したように、退職して給与収入がなくなったら、申請すれば国民年金保険料が全額免除となります。

自分が世帯主になるデメリット

その一方で、自分が世帯主になると、世帯の収入が多い(多かった)場合は、国民健康保険料がより高くなる傾向があります。

というのは、国民健康保険料は世帯ごとの支払となっており、世帯ごとに保険料額の上限があるので、その上限に達するほど収入が高かった場合は、親の世帯に入った方が相対的に上限が低くなるので、その分、得します。

自分が世帯主になれば、そこに親の国民健康保険料の額は影響しないので、その分、上限に達しにくくなります。

収入次第では国民健康保険料の額は月額で10万円近くにもなるようなので、それに比べたら国民年金の保険料なんて微々たる物となってきます。

猶予の場合は、10年以内に払えばよい

親の世帯に入り、国民年金の保険料が猶予となったら、その支払は今すぐにする必要はありません。

10年間まで支払が猶予となるからです。(払わなくても罰金があるわけではなく、支給額に反映されないだけ)

支給額を増やすために後から支払うことを追納といいます。

 

それで、追納は10年以内であれば可能ですが、「追納加算額」を避けるために、できれば2年以内くらいには追納した方がいいでしょう。

猶予等が認められた期間の翌年度から起算して3年度目以降に追納する場合は、追納加算額として余分なお金を払うことになります

Googleカレンダーにでも、2~3年後の予定として猶予分の支払いをするタスクを入れておけばいいでしょう。

お金があるなら素直に払うべし

猶予・免除の制度は今お金がなくて困っている人のための制度なので、お金がある人は素直に払うのが得策です。

その際、「前納制度」という制度があり、一括で納めると割引になります。

年金事務所に行って「2年分前納したい」と言って2年分前納するだけで、14,520円の割引になります(2019年時点での額)。

まとめ

退職後、条件次第で、国民年金保険料は申請すれば免除か猶予されるので申請した方がよい、

そして免除になるか猶予になるかは世帯主が関係している、という話でした。

実際のところ、負担が大きいのはどちらかといえば国民健康保険の保険料の方なので、まずはそちらを真剣に考えるべきだと思います。
以下はその関連記事です。

フリーの翻訳者が入れる健康保険組合

 

ブログランキングに参加しています。
いつも応援クリックありがとうございます。励みになります。
にほんブログ村 英語 通訳・翻訳

RSS (feedly)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。