海外移住と健康保険

2018年9月19日の投稿に加筆・修正しました。

日本で会社員などとして勤務していれば健康保険に入っているわけですが、脱サラすると同時に事情が変わってきます。

最大2年間まで利用できる、健康保険の任意継続制度を利用する選択肢もあります。

しかし、ここでは脱サラ後、遅くても一年以内には海外移住するであろうという前提で、任意継続制度は考慮しないで話を進めます。

国民健康保険料の負担は大きい

会社員時代の健康保険は、保険料の支払いは会社が半分で自己負担が半分である一方、脱サラ後の国民健康保険は全額自己負担です。

収入等によって保険料の金額は変わってきますが、少なくとも脱サラ後、しばらくの間は保険料の負担は会社員時代の2倍に近い金額になり、大きな負担となります。

普通に日本でフリーランサー(個人事業主)として働き続けるのであれば、フリーランサーが加入できる健康保険組合(下の参考記事)に切り替えれば保険料を安くできます。

しかし、近いうちに海外移住するなら選択肢には入れにくいでしょう。

(参考記事)

フリーの翻訳者が入れる健康保険組合

脱サラ後、再就職する場合

脱サラ後に再就職するなら、それは脱サラとはいわないんじゃないか、と言われそうですが、いきなりフリーランスになる前に一段落置くという選択肢があります。

会社員としての本業と、独立後の仕事が異なる業種なのであれば、完全に独立する前に、独立後の業種の会社に転職するという方法です。

例えば、これまでエンジニアであった人が、いずれはフリーランスの翻訳者になりたい場合に、翻訳会社に転職してインハウスの翻訳者として修業を積むというわけです。

 

転職する場合であっても、転職先を決めてから今所属している会社を退職するか、あるいは、退職してハローワークに通いつつ転職先の会社を探すか。

選択肢としては後者の方が無難かもしれません。

というのは、休職中、失業手当をもらいながら翻訳者になるための勉強に時間をフルに費やすことができるからです。

注意点としては、開業していると失業手当はもらえないので、サラリーマン時代の副業で開業済であったならば、ハローワークに最初に行く前に、廃業届を提出しておく必要があります。

また、普通は自己都合での退職なので、待期期間である最初の三か月は失業手当が支給されません。

それから、休職中に働くと失業手当が減額されたり支給が延期されたりするので、休職中は翻訳の仕事をするのではなく、勉強に集中した方が効率は良いでしょう。

脱サラ後、すぐに海外移住する場合

もう独立して十分な収入を得ている、あるいは得られる見込みがあるならば、脱サラしてすぐに海外移住するのもいいでしょう。

その場合、多額な負担となる国民健康保険料(および住民税)を払い続けるのは得策ではないので、日本を出る前に住民票を抜くことを勧めます。

サラリーマンの時の収入が多かった人ほど、海外転出届は出した方がいいように思います。

理由は、健康保険の保険料が信じられないくらい高額になるからです。
(国民健康保険であれ、健保教会の任意継続であれ、高額になるのが普通)

海外転出届を出す

住民票を抜くとは、すなわち、役所に海外転出届を出すということです。

日本には「国民皆保険制度」という制度がありまして、住民であるならば(国民)健康保険への加入が義務付けられるので、払わずに済ませるには住民票を抜くしかないわけです。

クレジットカードの海外旅行保険を利用

健康保険に加入していない状態で、不慮の事故や予期せぬ大病を患うようなことがあれば、医療費が高額になってしまいます。

そこで、海外旅行保険に加入します。

ただし、海外での滞在期間が長いと海外旅行保険の保険料も安くないので、クレジットカード付帯の海外旅行保険に頼るのが現実的です。

 

多くのクレジットカードでは、条件次第で、最大90日まで海外旅行保険が付帯されます。

長くなるのでここでは省略しますが、複数のクレジットカードを使えば、日本に一時帰国しなくても180日とか、270日とか、クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用し続けることも可能です。
(単純に3枚カードを持っていけばいい、というわけではありませんが)

いずれにせよ、保険の利用条件、カバー範囲や保険金の額などは、各会社によって異なるので、カード/保険会社の公式サイトや約款などで確認しておくことが重要です。

移住先の保険も検討

クレジットカード付帯の海外旅行保険は手厚い保険とは言い難い内容なので、特に高齢の場合は、移住先の保険も合わせて加入を検討するのが得策です。

公的保険または私的(民間)の保険に入るわけですが、新興国の場合は公的保険では大してカバーされないことが多いので、民間の保険に入るのが普通でしょう。

この辺りは、移住先にいる他の外国人(日本人含む)に聞くのが近道でしょう。誰もいなければ自分で調べるしかありませんが。

以後、住民票を戻すことを検討

高齢の人や病気がちの人は、一年ないし数年後、日本に一時帰国した際に、住民票を戻すことを検討するといいでしょう。

その時の収入によって事情は異なってきますが、サラリーマン時代だった時に比べて稼ぎが少なくなっているなら、国民健康保険料も住民税も金額が少なくなるからです。

その際、移住先で別途加入した保険は解約を検討します。

まとめ

多くの場合、海外移住の際は最初は住民票を抜いた方がいいという話でした。

この辺りの話は複雑で、失業手当なども含めて人によって事情が異なり、状況次第でベストな選択肢が変わってくるので、事前に自分で情報収集しておくことが重要です。

 

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