海外リタイヤ組が失敗する一番の理由
2018/9/11の投稿に加筆・修正しました。
現役世代のうちに(例えば60歳未満で)脱サラして、物価が安い場所に移住して、働かずに毎日遊んで暮らせたら楽しそうだと思いませんか。
いわゆる早期退職(early retirement)というやつです。
ある程度、社会人として働いた後で、早めに引退して、残りの人生は働かずに自由に過ごす。
そんなことができるのであれば理想的です。
しかし、話はそう簡単ではありません。
脱サラしたとしても、働けるうちは何らかの仕事を続けた方が良い理由について書きます。
多くの海外リタイヤ組が失敗する理由
不動産所得などの不労所得だとか、預金の利子だけで生活できるような裕福な人であれば、お金の心配はしなくてもやっていけると思います。
しかし、物価が安い国に行けば何とかなるだろうと見越して、不労所得がないのに早期退職して遊んで暮らしていると、そのうち貯金が尽きて、失敗することもあります。
よくある失敗の主な理由は、当初の予想を超える生活費がかかってしまうからです。
日本はここのところずっと、ほとんど物価が上がらないので勘違いしがちですが、
新興国では物価がどんどん上がっているので、今は物価が安い国でも、10年後、20年後となれば話は変わってくるということを理解しておく必要があります。
実は今の段階で既に、日本より物価が安い国はほとんどない、とも言えます。
日本と同じ生活レベル(安全性を含め)を新興国でキープしようとすると、日本よりお金がかかることがほとんどです。
例えばフィリピンの場合
私の実体験を例に挙げると、日本の実家に住んでいる場合は毎月約10万円で暮らせますが、フィリピンで2か月ほど一人暮らししたら、倍以上、つまり一か月に20万円以上かかりました。
仮に、自分が100歳まで生きると仮定した場合(あり得ない話ではないはずです)、収入ゼロでやっていくためには、かなりの資金が必要です。
例えば今自分が40歳だったら100歳になるまで60年ありますが、一か月の支出が20万円だとしたら、1年で240万円なので60年だと1億4,400万円必要です。
物価の上昇を考慮したら、1億5千万円程度の貯金では到底足りないと言えます。
また、怪我したり病気になれば更にお金がかかりますし、例えば家族の葬式代など、予期せずお金がかかることも考慮しておくべきです。
貯金が減り続ける生活は長続きしない
そして、貯金が減り続けるのを恐れて質素な生活を自分に強いるのは、ストレスがたまります。
仮に今、たとえば不動産収入があったとしても、建物や設備は古くなるので、今の収入がずっと続くわけがありません。必ず減る時がきます。
特に日本の不動産の場合、人口が減り続けている国なので、資産価値が値上がりすることも、賃料が上がることも、全く期待できないと思った方がいいでしょう。
貯金が減り続けていると、人は不安になり、ストレスによって病気になり、心身ともに苦しくなってきます。
そんな早期退職は楽しくないですよね。
だったら、使ったお金の分は稼げる程度の仕事は続けた方がいいと思います。
経済的に問題なくても、何か仕事をした方がいい理由
生涯、使いきれない程の資産があったり、あるいは生活コストを上回る不労所得がある場合でも、全く何の仕事もしないというのは、精神的によろしくないようです。
脳も使わないと退化が進行するので、何も緊張が無い状態にさらされると、認知症になったり、ボケたりするリスクが増すようです。
参考ページ:
早期リタイアすると「認知力が低下」する可能性がある
その点、例えば翻訳を仕事として続けるのであれば、関連業界の最新情報などを勉強し続けることになるので、何歳になっても脳を使うことになります。
つまり、ボケ防止になります。
まとめ
脱サラした後も、どこで生活するにせよ、稼ぎ続けることが大事だという話でした。
貯金が減り続けるという不安を解消するため、そして、ボケ防止のためです。
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