海外在住者が一時帰国時に利用できる免税制度【消耗品編】
海外在住の日本人は、訪日外国人旅行者と同様、日本の免税制度を利用可能です。
つまり、免税(Tax Free)に対応したお店で、消費税を払わずに買い物ができます。
今は8%、2019年10月以降は10%引きになるということなので、かなりお得です。
この制度は、買い物の対象が、消耗品か、それ以外(一般物品)かで条件がかなり異なります。
この記事では、消耗品の免税についてまとめました。
尚、一般物品の免税については以下の記事にまとめました。
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目次
海外在住者が一時帰国時に利用できる免税制度【消耗品編】
海外移住者が日本で購入する消耗品と言えば、代表的な物はツナ缶などの食材です。
クーラーバックと保冷剤を使って納豆などを買って帰る人もいます。
もちろん海外でも日本の食品は購入できますが、送料のせいで高額になっているので、LCCの荷物追加料金を払ってでも持てるだけ持ち帰る人は多くいます。
化粧品とか、目薬などの医薬品も消耗品に該当します。
以下、特に一般物品の場合との違いを中心に、条件と利用方法を順に解説します。
免税制度が利用できる条件
海外在住が前提となっているので、購入後、海外に持ち出すことが前提です。
自分自身のための買い物でしか利用できないので、免税で買ってそれを(日本に居る)他人にあげることはできません。
海外に移動してから、あげたり売ったりすることも原則NGですが、こちらは実質的には個人の良心にまかせるということでしょう。
消耗品は使ったらなくなってしまうので、以下の二点が一般物品との大きな相違点です。
- 日本を出国するまで開封できない
- 購入後30日以内に日本国外へ持出
以下、詳細です。
購入後30日以内に海外へ持出
消耗品の場合、免税店で購入後、包装されたままの状態で日本国外に持ち出す必要があります。
免税店で購入した消耗品であることが分かるように、特殊な包装がされます。
つまり、日本国内に居る間はまだ使用できません。
飛行機に搭乗した後でも、まだ飛び立ってもいないうちに免税店で買った缶ビールを飲んだりすると注意されるそうです。(知人から聞いた話)
それから、30日以内に海外へ持ち出すことになっているので、日本から海外に戻る日から逆算して30日以内となる時期に購入する必要があります。
一時帰国時の日本での滞在が短期間であれば心配不要ですが、一か月を超える場合はこの点に注意が必要です。
消耗品には消費期限などがあるでしょうし、基本的には海外に戻る直前に買うと考えておけばいいでしょう。
誰が利用できるか
免税制度の利用対象者は、日本における「非居住者」です。
「非居住者」の詳細な条件は複雑であり、将来、変わる可能性もあるので、公式ページのリンクを載せておきます。
日本帰国時、パスポートにスタンプ必須
日本に帰国後6か月後未満であることが条件の一つです。
これはとても重要な点ですが、パスポートに日本の入国スタンプが必要です。
これがないと免税制度を利用できません。
もし自動化ゲートや顔認証ゲートを通って入国した際は、その後、忘れずに税関職員にスタンプをもらっておきましょう。
免税店のスタッフは、この日本入国時のスタンプをチェックして、帰国後6か月後未満であることを必ず確認します。
パスポートがスタンプだらけの人は、免税で買い物する前に、その日本入国時のスタンプのページに付箋でも貼っておくと時間短縮になります。
免税店で他に何をチェックされるか
パスポートのスタンプだけしかチェックしないと、単に旅行や出張で海外に行って帰ってきたばかりの人と区別がつかないと思いますが、実は通常、この入国時のスタンプ以外はあまりチェックされないようです。
少なくとも、日本に住民票があるか無いかは、関係ありません。
また、これから日本を出国する際の航空券を見せるように言われることも無いようです。
もし本当に海外在住なのか、しつこく聞かれたら、パスポートに貼ってある、永住/リタイアメントビザを見せればOKです。
その他の細かい条件
当然ですが、免税に対応したお店でないと利用できません。
また、5,000円以上の買い物でのみ利用できます。
(2018/7/1以降、一般物品と消耗品とで合わせて5,000円以上でも可)
消耗品の場合は50万円という上限もあるので、高額な化粧品やアルコールなどを買う場合は注意が必要かもしれません。
利用方法
免税制度を利用した買い物の手続きを解説します。
免税店の探し方
まず、免税店は空港にしか無いわけではありません。免税店は日本全国、街中、至るところにあります。
どのお店が対応しているかについては、以下の公式サイトで検索できます。
(注意点としては、地図から検索する場合、全部のお店が出てこないことがあるので、キーワード検索も使って探した方がよいかもしれません)
有名なのはドン・キホーテ、イオン、それからマツモトキヨシやなどのドラッグストア辺りでしょうか。
家電量販店も、消耗品を扱っている免税店があります。
お店での手続き
大きなお店であれば、免税の専用カウンターがありますが、ない場合は普通にレジで免税で買いたいと言えばOKです。
繰り返しになりますが、パスポートが必要です。
デパートなどでは、免税カウンターがあるので、各お店で買い物をした後で、そこに商品とレシートを持って手続きします。
後日申請はできず、購入したその日に手続きをする必要があります。
この場合は後から消費税分が返ってきます。
店外の免税カウンターの場合、複数のお店で買った合計の額が5,000円以上であれば利用できます。
ただし、場所によっては1.1%といった免税手数料がかかることもあるようです。
いずれの場合でも、レシートがパスポートにホッチキスで留められることになります。
後で必要なので、今はそのままにしておきます。
尚、このパスポートをレシートに貼る作業は2020年4月からなくなることになっています。(免税手続きが電子化されるようです)
レシートは帰りの空港で提出
そして海外に戻る際、つまり日本をまた出国する際、空港の税関のカウンターのボックスに、前述のパスポートに留められたレシートをすべて入れます。
尚、レシートをパスポートに留めたり、後で提出したりする作業は2020年4月からなくなるようです。(免税手続きが電子化されて不要になる)
まとめ
消耗品を免税制度で購入する条件や方法について解説しました。
食材はともかくとして、目薬みたいに海外では日本と同質の物が手に入りにくい物は忘れずに免税店で買うようにしておくといいでしょう。
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