優秀なゲーム翻訳者は少ないであろうと簡単に予想できる理由

今回は翻訳についての話です。

最近、ゲーム翻訳の求人を多く見かけるようになってきました。

まだ実際にゲーム翻訳の仕事を始めたわけではありませんが、メリットがたくさんありそうなので、まとめてみました。

優秀なゲーム翻訳者は少ないであろうと簡単に予想できる理由

私はゲームが大好きなので、将来はゲーム翻訳も手掛ける予定です。

今は産業翻訳と、特許翻訳(こちらは主に校正)で安定して稼げていますが、大型プロジェクトが終われば仕事が途切れることも出てくるはずなので、将来に備え準備を始めました。

ゲーム翻訳の需要と供給

(上の画像は、六本木に居そうな英語女子の若かりし頃のイメージです)

ゲーム業界はここのところずっと拡大傾向にあり、ゲーム翻訳の需要も増え続けています。

他の業界の翻訳に比べると供給(優秀な翻訳者の数)が追い付いていない、つまり、仕事にありつきやすい状況にあると考えています。

以下、理由を解説します。

 

ゲーム業界の拡大

スマホの性能が上がって、アプリとして配信されるゲームが増え続けていますし、また、日本以外の国からも面白いゲームがたくさん発売されるようになってきました。

人気のあるゲームはハードウェア媒体の種類を問わず、別の言語に翻訳されます。

以前は、日本語から、英語などの別の言語への翻訳のニーズの方が多かったはずですが、最近は海外が発祥のゲームを日本語化する動きも増えています。

統計によると日本人はゲームに課金する額が他の国の人よりもかなり多いそうなので、日本の市場は少なくともゲーム業界では無視できません。

 

優秀なゲーム翻訳者が少ない

一般に、ゲームの翻訳の品質は、他の業界に比べるとまだまだ低い傾向があるようです。

私もゲーマーなので海外のゲーマー友達が昔から何人かいますが、彼らの多くは、ゲームの翻訳がひど過ぎるというだけの理由で必死に日本語を勉強して、翻訳前のオリジナルバージョンを入手してプレイしているのが日常です。

質が悪い理由としては、ほとんどゲームをプレイしたことが無い人が翻訳しているケースが今でもまだ多いからかもしれません。

 

また、映画やドラマや小説の翻訳に比べると、ゲーム翻訳をやりたがる人は比較的少ないはずです。

というのは、翻訳者の多くはいわゆる英語女子であり、より正確に言うと中高年の英語女性が一番多いはずです。(日本はそもそも若者が少ないので)

最近はそうでもないかもしれませんが、ちょっと前までは、英語が得意な女子(主に西洋かぶれ)はゲームやアニメ文化は毛嫌いしている人ばかりだったはずです。

今は世界中からアニメやゲームが好きな外国人が日本に押し寄せてきて、街中でコスプレしたり、カラオケでアニソンを歌ったりしています。

渋谷に『まんだらけ』ができてしまうくらいなので、最近はゲーム/アニメ好きの英語女子もさほど少なくないかもしれませんが、多いとは言えないでしょう。

 

ゲーム翻訳をやりたがる人が比較的少なければ、優秀なゲーム翻訳者が少ないはずなので、需要が増えてきている以上、やれるのであればチャンスになるはずです。

普段から好き好んでゲームをプレイしているというのが、優秀なゲーム翻訳者になるための最低条件になります。

 

ゲーム好きであることが最低条件

ゲームは芸術の一種なので、ゲームの種類によっては、映画やドラマの翻訳と似ているところがあるでしょう。

また、別の見方をすると、ゲームも一種のソフトウェアなので、ソフトウェアやアプリやWebサイトのローカライゼーションの経験があれば、似ている部分が多くあるはずです。

そのせいか、私にもProZ経由で、主にロシアや中国の翻訳会社からゲーム翻訳の依頼が送られてきます。

 

それで、履歴書とは別に、最近どんなゲームをプレイしているのか聞かれることがよくあります。

ゲームのプレイ経験が、仕事をまかせていいかどうかの判断基準の一つになっているということです。

やはり経験がないと、一つの文章を見ても、どんな場面で使われているのか想像しにくいでしょうし、ゲームならではの用語や表現にも精通しておく必要があるのでしょう。

仕事の合間に堂々とゲームできる

そんなわけで、普段から仕事の合間にゲームで遊んでおくことが大切です。

逆に言うと、それも仕事の一部になるので、一人暮らしでなくても気軽にゲームで遊べるということです。

例えば息子が「ママ、一日中ゲームばかりしててズルい!」とか騒ぎ出したとしても、これも大事な仕事だと、きちんと伝えて、可能ならば一緒にプレイしたりできるわけです。

日本に住んでいなくても問題ない

今はPCゲームやスマホゲームはもちろん、プレステやNintendo Switchなどのコンシューマーゲーム(console game)でもダウンロード販売が主流になりつつあるので、別に海外に住んでいても日本発のゲームをオンラインで買ってプレイできます

前日までにダウンロードして発売日になった瞬間にプレイ開始できます。(例えば明日発売の『ファイアーエムブレム 風花雪月』、既に私のSwitchではダウンロードが完了しています)

スマホ全盛期とは言っても、インターネットに常時接続していないとプレイできないゲームばかりではありません。

従って、飛行機に乗っている間でもゲームで遊べるので、海外移住者もゲーム翻訳をする上で何か制限があるようなことは無いでしょう。

まとめ

在宅で働ける翻訳という仕事は人気があるので、ライバルもたくさんいます。

翻訳者としての自分の実力に問題がないのに仕事が取れなくなってきているとしたら、需要より供給の方が多くなってきたからかもしれません。

その意味では、ゲーム翻訳は今後さらに増えていく可能性が高いので、ゲームが好きなら検討してみるとよさそうです。

 

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