住民票を抜いて海外に行く際の、確定拠出年金の正しい手続き
転出届を出して(つまり住民票を抜いて)海外移住する場合、
確定拠出年金(日本版401k)は続けることができるのか、また、どのような手続きをすればいいのか、について解説します。
参照として個人型確定拠出年金(iDeCo)の公式サイトへのリンクを記事中に載せます。
住民票を抜いて海外に行く際の、確定拠出年金の正しい手続き
確定拠出年金(日本版401k)は、国民年金に上乗せする、任意の年金ですが、住民票を抜いて海外に行く方の中で、今現在、確定拠出年金に加入していないのであれば、特に気にしなくてよいのでこの記事は読み飛ばしていいと思います。
確定拠出年金も、他の年金と同様、支給に関しては海外移住していても問題ありません。
その時が来れば(確定拠出年金だと60歳から)支給されます。
一方で掛金の支払に関しては事情が異なってくるので、順に説明します。
確定拠出年金には企業型と個人型(iDeCo)とありますが、この企業型を導入している企業は増えてきているようです。
特に外資系企業では、これを退職金の代わりにしているところが多く、その場合は給与やボーナスとは別に、毎月従業員のために会社が掛金を払います。
節税効果が高いので、上限はありますが更に上乗せして従業員が自分の給与から支払うことで掛金を増額することもできます。
企業型を導入していない企業の従業員や、個人事業主で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者になっている人も多いと思いますが、
ここでは、以下のケースでの手続きについて説明します。
- 今現在、企業型確定拠出年金を導入している企業に勤めている
- 退職後、準備を進め、住民票を抜いて海外移住する予定
退職時の手続き
企業型確定拠出年金を導入している企業にて退職の手続きを行う際、人事などから確定拠出年金の移換について案内されるはずです。
転職の場合で転職先の企業も企業型を導入している場合を除き、個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移換することになります。
退職後、個人事業主、あるいは無職になる場合も同様です。
退職後、6か月以内に手続きをしないと「自動移換」されてしまい、この場合、無駄に手数料がかかって損するので、早めの手続きを勧めます。
詳細は、下のiDeCo公式サイトに載っています。
加入者と運用指図者
個人型確定拠出年金(iDeCo)において「加入者」になるか「運用指図者」になるか選べます。
「運用指図者」は、以後の掛金の支払は行わず、現存の資産の運用指示のみを行います。
近いうちに住民票を抜いて海外移住するなら、「運用指図者」になるのが正しい選択肢でしょう。
住民票を抜いて海外移住した後は加入者にはなれないので、この時点で「運用指図者」になっておいた方が面倒が少ないからです。
また、下の関連記事にも書きましたが、退職後は国民年金の支払は免除/猶予の申請をするのが得策です。
国民年金の保険料を納めていないのに、その上乗せに当たる確定拠出年金では掛金を支払っているというのは、おかしな話なので、その意味でも「運用指図者」になっておくべきでしょう。
後から「加入者」に切り替わることも可能です。
移管の手続きを行うためには、まず移管先の金融機関(運営管理機関)を選んで資料を問い合わせます。
iDeCoを取り扱っている運営管理機関は多数あるので、「iDeCo 手数料一覧」といったキーワードで検索して、できるだけ「運用指図者」の手数料が安い運営管理機関を選べばいいと思います。
海外移住時の手続き
前述した通り、住民票を抜いた場合、確定拠出年金の「加入者」になることは通常できません。
そこで、「加入者」ではなくて、「運用指図者」になります。
初めから個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者だった人は、このタイミングで運用指図者に切り替わる手続きをすればOKです。
前の段階で(退職時に)運用指図者を選択した人は、そのままで大丈夫です。
日本に帰国した際には、手続きをすることで加入者になることも可能です。
まとめ
住民票を抜いて海外滞在する際、以後は掛金を支払うことはできないので、運用指図のみを行うことになります。
国民年金とは異なり任意加入はできないので、確定拠出年金の加入者であることによる節税の恩恵を受けられなくなることが、住民票を抜く場合のデメリットと言えるかもしれません。
一方で国民年金に関しては、以下の記事で書いたように、転出届を出すタイミングで任意加入した方が良いでしょう。
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私の場合、住民票をぬかずに加入者として確定拠出年金を運用しております。皆様はどうなんでしょうか?