苦手分野を得意分野に変えるまでのプロセス
苦手分野を得意分野に変えるということは、今は詳しくない分野に詳しくなるということなので、時間と労力がかかります。
そこに至るまでのプロセスを簡単にまとめてみました。
以下、英語から日本語への翻訳を前提に話を進めています。
他の言語でも同じことなので、随時読み替えていただければと思います。
無知の知
まず、得意になりたい分野の英文を探してきて、自分で翻訳してみます。
そして全く歯が立たないことを思い知ります。
実際にやってみないと実感できないので、この最初のステップも重要です。
得意分野なら翻訳できる理由
得意分野とは、大学で勉強した分野であったり、社会人としてずっと仕事で取り組んできた分野であったりします。
元々知識があるので、専門的な内容であっても、母国語はもちろん、英語で読んでも理解できるわけです。
一部、分からない単語があったとしても、ほとんどの単語が分かるので、だいたいの内容が辞書を使わずに一読しただけで理解できます。
逆に言うと、その分野での知識がこのレベルまで達していないと、翻訳の際にスピードが出ないので仕事として成り立ちません。
日本語の参考書で勉強
次に、高校生レベルの日本語の参考書を読んで基本的な知識を習得します。
いわゆる独学です。
その際、以下すべてのステップに当てはまることですが、ただ読むのではなくて重要事項をきちんとノートにまとめて、後で検索してすぐに内容を確認できるようにまとめます。
高校生レベルの学習が終わったら、次は大学の授業で使う教科書や、その道のプロが読む専門書に移って、更に知識を深めます。
英語の専門書で勉強
次に、権威と言われるような、その道の専門家が書いた英語の書籍を購入して勉強します。
英文なので余計に時間がかかりますが、辞書を駆使して、語彙を増やしながら更に知識を深めることができます。
洋書は高額であることが多いのですが、Kindle本なら比較的安いこともよくあります。
校正の仕事を並行して行う
「並行して」行うと言っても、どのタイミングで開始するのかは判断が難しいところですが、校正(チェッカーつまりbilingual revision)の仕事を開始します。
校正だったら数時間で終わる物も多いため、副業でもできます。
そして得意にしたい分野の案件を積極的に受けていきます。
仕事をしてお金を稼ぎながら語彙を増やす(つまり自分の用語集を充実させる)ことができます。
校正業務でも百件もこなせば語彙はかなり増えていきます。
稼いだお金で辞書や書籍を購入できるので一石二鳥です。
校正の仕事を受ける際の注意点
校正業務とは言っても、良質な案件でないと非常に苦労します。
元の翻訳の質が悪すぎると、時間ばかりかかってしまい、勉強としての効率も悪くなってしまいます。
翻訳よりも校正の方が低レートなのは、校正に求められている主な仕事は単純ミスの発見・修正であるべきだからです。
(品質管理の観点で言えば翻訳者よりも優秀な人が校正をすべきなのかもしれませんが、それは綺麗ごとであって現実とはかけ離れています。
翻訳の方が校正より儲かる以上、翻訳者より優秀な人が校正をするようなことは通常あり得ません)
低レートなのに翻訳と同じくらい時間がかかるような案件は引き受けるべきではないので、そういう仕事が何度も来るようであれば、その翻訳会社とは縁を切って、別の翻訳会社を探すようにした方がいいでしょう。
まとめ
まとめると、以下のステップになります。
- 実際に試してみて、全く歯が立たないことを実感
- 高校生レベルの日本語の参考書を読んで基本的な知識を習得
- もっと専門的な書籍/文書を日本語で読んで更に知識を深める
- 権威と言われる専門家が書いた英語の書籍を購入し、語彙を増やしつつ読む
- 並行して、校正業務に積極的に取り組む
- 最初のステップに戻り、まだ実力が足りていないようであれば更に精進
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