翻訳レートの相場を知ることで自分のレートを正しく設定する
今回は翻訳のレート(単価)についての話です。
翻訳者の今現在の平均レートが分かるページを紹介します。
目次
翻訳レートの相場を知ることで自分のレートを正しく設定する
翻訳者が今現在、平均でどのぐらいのレートで仕事をしているのかは、気になるところです。
一つの参考情報として、かなり信憑性のあるデータが公開されているので紹介します。
ProZにて各翻訳者が実際に登録している標準と最低のレートの平均値が公開されています。
標準レートというのが普段の翻訳レートで、最低レートというのは、条件次第で(例えば内容が非常に興味深いなどの理由で)このレートで受けることもある、という意味合いのレートです。
単語ごとのレートとは別に、時給もありますが、時給に関しては特殊な作業(例えば動画などの完成品ができてから実施する最終チェックなど)にしか使われないのが普通なので、あまり気にしなくていいでしょう。
上の例だと、英日の翻訳の平均レートは、標準が0.12USD/単語(約12円/単語)、最低が0.09USD/単語(約9円/単語)となっています。(2019/9/24時点で)
もちろん、実データを使用した平均値なので、常に変動するでしょうし、例えば5年後に見たら全く違った値になっているかもしれません。
他の言語ペアのレートも、このページで指定すれば分かりますが、Sample sizeの数が小さい場合は、平均値としてはあまり参考にならないかもしれません。
自分が提示すべきレートを客観的に判断
翻訳レートの平均の目安が分かると、それを基準に自分の現在のレート、そして将来目指すべきレートについて考えることができます。
高すぎてもいけない
フリーランスの世界は完全なる実力社会なので、学歴以上に翻訳の経験が重視されます。
従って、翻訳者になったばかりの人が平均以上のレートを希望した場合、相手にされず、書類選考で落ちる(トライアルを受験できない)というのが普通です。
低すぎてもいけない
平均が0.12USD/単語である以上、経験がないなら、これよりも少し低いレートを提示することが一般的でしょう。
それでうまくいかないなら、更に自分のレートを下げるのではなく、自分自身に何か問題がある、あるいは自分の実力が足りていないと考えて、足りていない物を伸ばすことに時間を費やすべきです。
なぜなら、異常に安いレートで仕事を受けても、それが実力アップにつながることはまずあり得ないからです。
レートが低い分、大量にこなさないと食べていけないので、品質が犠牲になります。
品質が悪い物を大量生産することに慣れてしまうと、そこから抜け出せなくなるので、高レートの、つまり高い品質が要求される仕事を受けることは一生できません。
長い目で見れば、少しずつでも高レートの仕事を受けるようにしていくことで、それが本当の実務経験になります。
具体的な話をすると、例えばProZにて、翻訳者がプロフィールに提示している翻訳レートを見もせず、不特定多数への一斉メールにより、0.03USD/単語などの低レートで仕事を依頼してくる業者が居ます。
校正作業ならこのレートは標準的ですが、翻訳で0.03USD/単語なんて仕事は受けるべきではありません。
そもそも、このレートだと日本の最低時給よりも収入が少なくなる可能性があります。
全く実務経験が無い翻訳者が、経験のために一回ぽっきりという限定で低レートの仕事を一度だけ受けるのは有りかもしれません。
何事も、初めての経験からは学べることが多いからです。
他人の昔話を参考にしてはいけない
もちろん、中には平均レートよりずっと高いレートで仕事をしている人がわずかながらいます。
自分がそこを目指すのはいいと思います。
まずいのは、昔稼いでいた人の話を聞いて、自分も簡単にそれだけ稼げると思ってしまうことです。
例えば、「15年前、レート20円/単語だったので年収1千万円は余裕だったよ」なんて言う昔話を聞いて、それが真実だったとしても、今は昔とは違うということを認識しておく必要があります。
15年前と言ったらリーマンショックの前ですからね。
当時儲かったのは翻訳だけではありません。
例えば、Webサイト作ってバナー広告たくさん貼って一日30分の更新作業だけで月収50万円、なんて話が普通でした。
また、最近の話をするならば、私が脱サラ前に居た携帯電話業界はずっと儲けてきましたが今後はどうなるか分かりません。
外資系の正社員なら30代で年収1千万円超が普通でしたし、フリーターであっても、例えばコールセンターや物流センターで時給2,000円近い金額でした。
しかし、儲けすぎたことが問題とされたのか、総務省がメスを入れてきたので携帯電話業界も少しずつ厳しくなりつつあります。
社員の給料は簡単には下げられませんが、新しく雇うバイトの時給を下げるのは簡単なので、今の時給は既にだいぶ低くなっているでしょう。
大手キャリアで大量リストラなんて話は今は聞きませんが、それも10年後はどうなっているか分かりません。
要は、過去の昔話を参考にするのではなくて、今がどうなっているのか、将来はどうなのかを考えて、自分にできるアクションを取っていくことが大切です。
まとめ
公正に稼ぐためには相場を知ることが大切です。
相場を知ったうえで、自分の経験やスキルと照らし合わせて、現在の翻訳レート、そして自分が目指すべき翻訳レートについて考えるようにします。
いつまでに達成するかという期限も決めれば、いつまでに何が必要か分かってくるので、期限付きのToDoリストに落とし込めるようになります。
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